ホームハイポニカもどき



ホームハイポニカもどき(製作目標303以上のもの)の栽培槽の製作方法を説明します。風太くんは浮き根式多株栽培装置の本体とフタをそのまま流用しますので栽培槽の新作は致しません。

新作の場合のポイントを説明いたします。
1.材料
①7mm厚の発泡ポリスチレン板(薄茶色)商品名ウッドラック・ザ・スリム(ダウ化工)
ホームセンターで売っています。大きさ91cm*182cmで1290円
車で運ぶのは大きく苦労します。カッターナイフを持って行ってホーム  センターの工作室で設計サズに切断(自分で)する等
②接着剤;ボンドウルトラ多用途(120ml)      1480円
③コーキング材;ボンドシリコンコーク           245円
④アルミコート断熱シート(100均で入手) 
⑤断熱シートを接着する為の両面テープ
エーハイムコンパクトポンプ 300 左サイドのamazon マイストアーで購入よろしく。

2.大きさ;
内のり高さ10cm、縦横は設置場所で決めますがなるべく大きい方が良いと思います。
風太くんの作ったサイズは33*162の大きさです。たしかフタ、中の仕切り2枚を作れ最大の大きさでした。水の流れを意識すれば、長めの長方形が良いと思います。
3.設置場所;
カッターナイフと接着剤で簡単に作れますが容易に変形する弱い材料の為、栽培槽がはみ出さない全体を載せられる、水平なしっかりした台が必要です。台は20Lのプランターより高い必要があります。風太くんは和室の縁側(いわゆる濡縁というもの)に設置しています。
木工の得意な方は台を自作ください。
4.製作方法;
丈夫に作るためにはなるべく接着面が密着する様に工夫します。例えば、元の材料の外周を接着面にする。カッタの切り口を紙ヤスリで平らにする等。
5.水漏れ対策;
接着剤が乾燥したら内側の接合部をシリコンコークでシーリングする。
6.フタには12cmピッチでφ18mmの栽培穴を開けます。
以上で栽培槽の完成です。

次は栽培槽への追加工です。
ホース取付穴、給水部、排水部、整流板等を風太くんの試行錯誤と同時進行でお伝えします。


排水口はその下部が常に液面下にあり、口の高さが液面高さになります。
排水パイプは内径15mmゴムホースを使います。外径は20mmです。
排水パイプ口はしっかり作らないと後で水漏れのトラブルとなります。
風太くんはこの栽培槽を浮き根式として2年稼働させましたがトラブルは排水口だけでした。
2回あったのは排水パイプを足に引っかけて口部の亀裂が入った事。
1回あったのは植物の根が伸びパイプを詰まらせた事。
まず発泡ポリスチレン板で6cm角の板を2枚作り張り合わせ真ん中に直径20mmの円を描きます。
これをさらに円の中心が栽培槽の内側底面より6cmの位置、幅方向の中央になる様、栽培槽に張り合わせます。
これで排水パイプ取り付け状態で水の高さは5.5cm程度となると思います。
本当はオリジナルの通り栽培槽の底面に穴を開けパイプを突き出せばそのパイプの突出し高さが
液面となり水位が安定しますが、水漏れしたら栽培槽を空にするしかなく、栽培中の植物にダメージ
を与えます。
側面取り付けであればとりあえず水位を下げ、排水口を乾燥させコーキングし直せば良い。
肝心の穴明けですが試行錯誤の結果、半田ごての先のヒーター部が直径14mmあり丁度良い塩梅なのでこれを使いました。



まず真ん中に狙いを定め貫通させます。次に先ほど描いた円周よりやや小さく半田ごてを動かしながら広げ、
固まらない内にゴムホースを突っ込み穴を整えます。
溶かす事で穴の内面は固くなり丁度良くなります。大胆且つ慎重に穴を開けます。
メーカーの説明では有害物は出ない様ですが、匂いがきついので屋外で作業してください。
この半田ごては今や発泡ポリスチレンの穴開け専用になています。栽培穴を開けたり、浮き根床の穴あけなど。
皆様方は太目の金属パイプをライターで加熱する等、何か工夫してください本番前に試し加工はぜひやってください。


風太くんの遊休プランター20Lを水タンクとして配置位置は写真の様に決めました。
反対側はエヤコンの室外機が邪魔で設置できません。
ゴムホースを仮に付けています、できればプランタ側面に穴を明け、上ぶたには何も加工したくない。
プランター高さは栽培槽の底とプランターの高さを合わせました。あまり低くすると水中ポンプの楊程不足となります。
次に栽培槽内部のコーキング(水漏れ防止)を行います。丁寧にしっかりと行ってください。
風太くんの栽培槽結構くたびれてきたので、コーキングの上を更にコ―キングし補強します。

ホームハイポニカもどき製作の後半です。写真は水の流れを整流する為の板です。理論的根拠はありません、いわば技術者としての勘でしょう。水は底面は流れにくいので逆に多く流れる様にする工夫と考えてください。スリットの高さは想定水面の6cm。これを2枚作り給水室と排水室の仕切りとしてとりつけました。



給水部分の仮配管状態。先ほどの仕切り版を取り付けています。右上の部分は浮き根式栽培時の排水口のなごりです。この給水室にエヤーストーンを置いてエヤーバブリングも考えています。



排水口部にも仕切りを取り付けます。



仮運転の配管状況です。
エーハイム コンパクト ポンプ 300は非力なポンプです。内径7mmのパイプが丁度ポンプの吐出口の内径に押し込めば入るので使ってみましたが、流量が非常に少なく実測1.4L/分でした。そこで圧力損失を極小化する為に15mmのゴムホースを取り付けました。ポンプ吐出口は13mmなので径差は吐出口にセロファンテープを巻いてみたら上手くいきました。これで流量実測4L/分となったので取りあえずこれで仮運転してみます。


ホームハイポニカもどきは2日間の試運転結果、問題なく運転出来、完成と判断しました。
完成に向けての細部の改善ポイントが3点



①給水パイプ出口の形状;
パイプを切ったままでは水の流れが偏ってしまい、求めていた一様水流とはならないので、出口近くのパイプ側面10cmほどにV字形の切れ込みをいれ、幅広く穏やかな水流となる様にしました。


②排水戻りパイプの形状;
設置場所は寝室外の濡縁です。水の落下音減少の為、ここも出口の近辺に切り込みを入れ、トユの効果
で水が自然に着水する様にしました。写真はパイプ先端が二重になっていますが、設計ミスでパイプ寸法 が足らなかった為、縦方向に切り裂いたパイプを外から被せています。



③排水口入り口の工夫;
この装置の設置場所は寝室の外の縁側ですので、なるべく静かに運転したい。試運転で耳に付いたのは
排水口入り口の「ボコボコ」という音いわゆる息継ぎ音です。少し離れたら気にならないのですが。
口を写真の様に斜めにしたらやや改善されましたが、まだ音がします。
まあ、オリジナルも水の落下音がするので設置場所に注意と書いていますので、これは今後の改善としす。水の高さは実測7cm、排水パイプ口の上限一杯です。実使用時に要チェックと思います。

ホームハイポニカもどき製作の総括。

1.製作費用
新作の場合、約5500円(エーハイムポンプ300 代 1838円送料込含む)
風太くんが使った費用;すべて遊休品の為 0えんでした。
2.養液容量 
栽培槽部       約39L
タンク部(プランター)約20L  
合計        59L

こんなところです。

カッターナイフと半田ごて接着剤 コーキング材で手軽に本格的栽培装置ができる事をお伝えできたと思います。