植物栽培用LED育苗ランプ



大変不恰好な代物ですが。風太くんが自作したLED照明付きの育苗箱です。日照時間が短くなって、野菜の苗の成長が遅くなったので、引っ張り出してきました。本体は発泡スチロールのトロ箱で大きさ幅55cm*奥行35*高さ55cmです。超高輝度タイプの赤色と青色のLED各100個使用し電源は使わなくなった古いパソコンのACアダプターを転用しています。LEDは殆ど発熱しないのですが、保温を兼ね発泡スチロールの箱を採用しました。



トロ箱の上下を逆にし、フタの部分を苗を載せる容器にしています。LED照明は強烈なので、発泡スチロールがすぐ痛みますのでその保護と光を効率よく苗に集中する為、箱の内側全体にアルミ蒸着断熱シートを両面テープで接着しています。



電源として使用している遊休パソコン用のAC電源です。皆様方のお家にも何個か転がっていると思います。OUTPUT電圧が24Vの供給電流1.1Aと丁度良いのもがあったので、無理やりフタをコジ空けOUTPUT配線を追加しました。パソコンへつなぐ端子の凹端子があったらフタをこじ開けなくて済みましたが、手に入らなかったのでフタを壊し配線をはんだ付しました。


本体内側です、トロ箱の底をカッターで切り取り、1.1mmの航空ベニヤに取り付けた200個のLEDランプを覗かせます。内側全体にアルミ蒸着断熱シートを両面テープで接着しています。



LED電源を入れた様子です。超高輝度の為、直視すると目を傷めそうです。
植物栽培用LEDランプは多数市販されています。
風太くんの作ったLED200個程度のランプは市場では3000円程度から3万円以上するものまでたくさんあります。それはLED素子の違いと思います。
同じ5mmのLED素子でもクリスマスのイルミネーション程度の光度しか出ない代物を使うと安い。風太くんが選んだ、超高輝度タイプは夜間照明用にも使えるものです。
電子部品の通販を覗くと5mm赤色LEDの場合、
100個で400円の素子は赤色で1500mcd、100個1500円の超高輝度素子の場合は透明で通電したら赤色になり12000mcdと8倍の光度です。
3000円程度の市販植物栽培用LEDは実際手に入れて見たことが無いですが多分、目視で赤色あるいは青色の安いLEDを使っているはずです。
超高輝度タイプは赤も青も透明です。通電して初めて色が判ります。
材料費は 超高輝度LED200個             3000円
1.1mm30cm*60cm航空べニア  500円 
発泡スチロールトロ箱              500円
断熱シート                     100円
ACアダプター  遊休品 

以上の様なものです。

次回に製作のポイントをご説明致します。 それでは育苗器のキー部品であるLED発光装置の製作のポイントだけご説明します。
詳しい説明は「LEDの使い方」で検索すると多数出てきますので参考にしてください。風太くんも電子回路製作は初めてでしたがそんなに難しくありませんでした。
回路はLEDと制限抵抗を使ったもので、回路図としては以下の様なものです。


LEDは風太くんは秋葉原の電子部品店で購入しましたが、通販でもそんなに価格差がありませんので、今回は秋月電子通商さんの品番でご紹介します。
赤色はoshr5111a-tu電圧2.1V、 標準電流20mA、輝度15度12000mcd
青色はosvb5111a-st電圧3.1V、 標準電圧20mA,輝度15度10000mcd
を使いました。植物用LEDの青、赤の光度比率について書かれた論文を色々読みましたが、結論は植物により違うという事でした。
そこで、100個づつ袋買いしたものを残りなく使う事として使用方法を考えました。図2の回路で考えます。
1)負荷電圧を計算し1列に使う最適LED数を考える。各100個づつあるので同数がベスト。
赤色:青色=7:1に変更します。(H25.12.1)追記
この装置で小松菜を発芽したばかりの種を植え、育苗箱で収穫まで育てようとした所、青色LEDが強すぎ、茎が伸びすぎる不具合が発生しました。市販の植物用LEDは5:1~10:1程度に比率にしている様です。計算方法等、作り方に変わりはありません。
「多収穫への挑戦!!趣味の水耕栽培」参照
赤2.1V*n個+3.1*n個<24V(使用するACアダプター電圧)


これでn=4と決まりました。これでLED直列の両端に加わる電圧合計20.8V
残り3.2Vが抵抗Rに掛かるわけです。そこに20mAの電流を流すには何Ωの抵抗となるでしょうか?高校理科の問題です。製造業に勤めていました技術系社員でしたが現役時代ついに使った事の無い公式を退職後つかいました!!感激です。

オームの公式 R=E/I   
3.2V/0.02A=160Ω

市販のカーボン抵抗には160Ωはありませんので150か180ですが安全の為180Ωを選びました。
これで赤LED4個、青LED4個を交互に繋ぎ、180Ω抵抗を1個つなぐ直列回路を作ります。
それを並列に25列繋げれば完成です。
電源電流は20mA*25=500mAですので使用するAC電源1.1Aは余裕でOKです。

2)基板の準備
電子回路に使っている基板のベークライトをつかうのが一番ですが30cm*40cmの大きさのものは秋葉原で探してたら5000円以上したので止めました。
100均で手に入るアクリル樹脂の板は熱に弱いという事で、熟慮の結果、風太くんが昔、1Mのラジコンヨットを作った時に甲板に使用した1.1mmの航空ベニヤがあったのでそれを使うことにした。板ならばその上で半田付けしても焦げるだけ、湿気を吸い込みショートするかも判りませんが、その時はACアダプターの保護回路が働き大事に至らないと考えた。
実際昨年4か月程使っているが問題なかった。
発泡スチロールの四角は25cm*35cm程度の大きさとして上手く四角穴からLEDが覗く様に
8個*25列に5mmの穴を明けます。LEDのボディーは直径5mmの根本の所が更に太くなっており丁度頭が出た状態で止まります。

3)製作上の注意事項
①LEDの足には極性があり、長い方をアノード(A)、短い方をカソード(K)といい、接続する場合  
アノードを+側、カソードを-側につなぎます。
②LEDに熱を加えると寿命が短くなると書かれています。はんだ付けは手早く。と言っても風太く  
んど素人ではんだ付けに手間取りましたがf大丈夫でした。
③意味が無いかも判りませんが、念の為半田付した所をコーキング剤で覆い保護しました。