水耕栽培入門に適したブクブク式栽培装置の製作



写真は浮き根式栽培装置の説明で使用したものです。浮き根式栽培装置の浮き根部を省略したものがエヤーバブリング式栽培装置で、水耕栽培の原点です。私は色々な栽培装置を製作して使ってみました所、シンプルなこのブクブク式による栽培はポイントさえしっかり押さえれば、他の方法に比べ全く優劣の無い素晴らしい方法であるという結論に達しました。これからその説明を致します。

1)ブクブク式水耕栽培成功のポイント

①最低20L以上の容器を利用する。

条件が良ければ、収穫量は根の張る容量に比例します。又夏場の日中の温度上昇を抑えるという点からも水量が多い方が良い。

②雨水、害虫の侵入を防止すべく、確実に密閉する事。

植物の支え方は色々な方法があります。栽培装置に大きな穴を開け、苗ポットを差し込む方法は雨水の侵入の恐れがありますが、私の採用している25mm栽培穴にエヤーキャップで巻いた苗を差し込む方法は雨の掛かる屋外では非常に有利です。雨水侵入で今までトラぶったことはありません。
フタはガムテープでしっかり本体に密着させて害虫の侵入を防止します。

③エヤーを直接植物の根に当てない事。

成長期の植物の根に直接バブリングの泡を当てると植物にストレスを与え成育障害が起きます。最悪枯れてしまいます。写真の様な2株式プランターの場合エヤーストーンの位置は中央に固定します。



真ん中に一株栽培する場合はエヤーストーンは端に置きます。

④エヤーは間欠供給が良い。
これは何処か忘れましたが大学の研究論文に載っていました。連続運転では植物にストレスを与えると言う事でした。間欠運転は24Hrタイマーを利用します。

⑤エヤー回路にはコックをつけ、出来るだけきめ細かい泡が出る様に調整する。エヤーストーンはセメントを固めた安いものは良くない、セラミック焼結タイプを選ぶ事。




⑥栽培槽を断熱・遮光して水温上昇をとことん抑える。

写真はキューリ栽培の様子です。プランターを利用したブクブク栽培槽ですがアルミ蒸着断熱シートを張り保温した上で、日よけの為、上から更にアルミ蒸着断熱シートを隙間を開けて被せています。左の小さい箱はミニフロート式自動給水装置で3台の栽培装置を制御しています。遮光の為ア
ルミ蒸着断熱シートで作ったカバーを被せています。

⑦養液を切らさない。
植物への最大のストレスは養液を切らす事です。私はミニフロート式自動給水装置を採用して以降飛躍的に収量が増えた気がします。是非皆さん採用下さい。

以上の①~⑦のポイントさえ注意すれば、驚く程の成果が出ます。
2)ブクブク式栽培装置の製作

2-1)材料

①容器;

水を一杯貯めても変形しない丈夫な容器なら何でもOKです。ここでは一応20L程のプランターを使う事にします。水を貯める為、スノコ式プランターは駄目で排水穴と、栓(普通敷板に付いています)の有るもの。

②7mm発泡ポリスチレン板(ダウ化工・ウッドラック)

フタに使用します。100均のポリスチレンボードでも良い。

③エヤーポンプ、コック、バルブ、エヤーストーン
ホームセンターの観賞魚コーナーで売っています。

④アルミ蒸着断熱シート(厚手タイプ)、両面テープ、ガムテープ、
プランター、フタをカバーします。

⑤針金
プランターに水を満水して変形する様であれば補強の為、長て側面上部を針金で補強します。

⑥接着剤
ポリプロピレン・ポリエチレンも接着するボンドウルトラ多用途SU接着剤

⑦ミニフロート式自動給水装置関係;--ぜひ使用下さい。
使い方、作り方は別記事参照。

2-2)製作
①本体の製作



*プランターに付属している敷板に排水口を塞ぐ栓が付いていますので、接着剤を付けて、排水口に栓をします。次に、プランターを底を含めて、アルミ保温シート包みます。両面テープ、ガムテープ、時には荷造りヒモを駆使してしっかりと取り付けてください。
*側面上端ツバぎりぎりの所を5cm程保温シートを切欠き、エヤーチューブの穴を開けます。サイズはチューブ外径に合わせ隙間の無い様にします。隙間があるとナメクジ侵入を許します。
側面に穴を開ける為、許容水位はこの位置以下になりますので、可能な限り上に開けます。

水を満水して、容器が変形する様であれば、長て側面の上部に孔をあけ針金で補強します。

②フタの製作

*プランターサイズに合わせ発泡ポリスチレン板でフタを作ります。フタには25mmの栽培穴をバランスの良い位置にあけます。端の方に点検(給水)用の穴を開けます。点検孔は切断面を写真の様に斜めにして密着する様に工夫し、害虫の侵入を防止します。点検口はガムテープをジョイント代わりにします。
*フタにもアルミ蒸着断熱シートを張ります。


3)実際の運転


①エヤーポンプは24時間タイマーで15分間欠運転にします。エヤーはあまり出しすぎない事です。水面が泡で波紋が出る様ではエヤーの出し過ぎです。波立たず細かい泡が出る様にコックで調整します。
②水耕栽培入門(実践編)を参考に苗を育て、写真の様に苗をエヤーキャップで巻き、栽培穴に固定します。蔓がしっかり巻始めるまで、荷作りヒモで網に誘引します。
③定着を確認したら、フタ周囲をガムテープで隙間なくしっかり固定します。点検口もガムテープで固定します。

以上、水耕栽培の原点、ブクブク式栽培装置で、多収穫を実現してください。