ホームハイポニカもどき完成版



5月初旬のホームハイポニカもどき完成版の様子です。大きく葉を広げているのはミニカボチャとキューリ、小さくみえるのはトマトの苗です。最終的には苗をほぼすべて移植しミニトマトの4株構成にして夏を迎えます。ホームハイポニカもどきは和室の濡れ縁に設置しています。排水口側を少しオーバーハングさせて、排水口のしたに台に載せた25L養液タンク(工具箱を流用)を設置しています。タンクの中に水中ポンプを設置して15mmホースで奥側の給水室まで養液を送ります。
以下に製作法を纏めました。



ホームハイポニカもどき(製作目標303以上のもの)の栽培槽の製作方法を説明します。風太くんは浮き根式多株栽培装置の本体とフタをそのまま流用しますので栽培槽の新作は致しません。

要するにホームハイポニカは底の浅い大きな栽培槽を作り水を循環させれば良いわけです。
最終形の写真を撮り忘れたので言葉で補足します。

写真に対し槽の外観は変更なし。2枚の仕切り板は両端に移動させて給水、排水の仕切りになっています。最後に中央上部両側面に横に幅3cm程の板を接着して水圧により栽培槽が変形しない様に補強しています。

1.材料
①7mm厚の発泡ポリスチレン板(薄茶色)商品名ウッドラック・ザ・スリム(ダウ化工)
ホームセンターで売っています。大きさ91cm*182cm
車で運ぶのは大きく苦労します。カッターナイフを持って行ってホームセンターの工作室で設計サズに切断(自分で)する等工夫下さい
②接着剤;ボンドウルトラ多用途(120ml)      
③コーキング材;ボンドシリコンコーク           
④アルミコート断熱シート(100均で入手)
 発泡ポリスチレンは耐光性が悪く長期間日光にさらすと表面からボロボロになってきます。 
⑤断熱シートを接着する為の両面テープ
⑥RIO+200 水中ポンプ
⑦配管用15mmビニールホース(防藻タイプ)
⑧養液タンク     25Lフタ付工具箱を採用しました。 
⑨ミニフロート(自動給水をする場合)
⑩TS13給水用ソケット+TS13バルブソケット 
⑪アルミ蒸着断熱シートーー100均の厚手タイプを使用します。薄手は耐光性が悪い。
⑫0.5mm塩ビシート
2.大きさ;
内のり高さ10cm、縦横は設置場所で決めますがなるべく大きい方が良いと思います。
風太くんの作ったサイズは35.5*162の大きさです。
フタ、中の仕切り2枚を作れ最大の大きさでした。水の流れを意識すれば、長めの長方形が良いと思います。

3.設置場所;
カッターナイフと接着剤で簡単に作れますが容易に変形する弱い材料の為、栽培槽がはみ出さない全体を載せられる、水平なしっかりした台が必要です。台はタンクより高い必要があります。
風太くんは和室の縁側(いわゆる濡縁というもの)に設置しています。
木工の得意な方は台を自作ください。
4.製作方法;
 ①栽培槽の加工

丈夫に作るためにはなるべく接着面が密着する様に工夫します。例えば、元の材料の外周を接着面にする。上の図は切断形です。材料の外周10cmを側板部分にしています。
この切り取り形で外幅162cm*35.5cm、内側高さ10cmの栽培槽が材料の無駄無くできます。
中央部162*33.5cmの2枚は底板と天板です。中央部の上と下は長い方の側板、左右の板から小端部の側板と仕切り板2枚、及び中央部の補強板(残り板を繋げ合わせます)
側板同志のつなぎ部は紙ヤスリで平らにする等、接着面を密着させる工夫をしてください。

②水漏れ対策;
接着剤が乾燥したら内側の接合部をシリコンコークでシーリングする。

③フタには12cmピッチでφ21mmの栽培穴を開けます。使わない栽培穴はガムテープでフタをしています。

④アルミコート断熱シートを両面テープを使い上面、側面に張り付けます。

⑤給水室の仕切りの取り付けと給水ホースの取り付け



写真は水の流れを整流する為の板です。理論的根拠はありません、いわば技術者としての勘でしょう。水は底面は流れにくいので逆に多く流れる様にする工夫と考えてください。スリットの高さは想定水面の6cm。これを2枚作り給水室と排水室の仕切りとしてとりつけました。

給水側; 給水室のフタの部分に23mmの穴を開ける。 


TS13エルボーの外形が24mmです。給水ホースの一端にエルボーを挿入した後、給水室のフタの穴を広げる様にエルボーを押し込んでいきます。


⑥.排水口の加工;
初期には側面に穴を開けてホースを取り付けて排水口としましたが、排水時の息継ぎの「ボコボコ」音が収まらず、試行錯誤の結果、オリジナル通りの底面排水口にしました。ただ真似るのは面白くないので排水口高さ調整式の工夫をしました。以下に説明します。



採用したのはホームセンターで入手した13mm塩ビパイプのネジ式継手です。雌ネジ雄ネジの組み合わせです。この継手には15mmゴムホースを少しキツイですがネジこめます。


写真の様に組み合わせて排水口にする訳ですが、このまま栽培槽底に穴を開けて接着剤で取り付けただけでは、栽培槽本体が発泡ポリスチレンの脆い板ですので捻じったら容易に壊れます。



そこで雌ネジ継手側の首の部分φ30mmの所に塩ビの0.5mm厚10cm四角の板の中央に30mmの穴を開け塩ビ用の接着剤で固着し、それを接着剤をたっぷりつけて、栽培床底面に穴を開け取り付けます。つまり継手を面で固定して、捻じりに耐える強度を確保します。
30mmの穴明けはコンパスカッターが便利です。
塩ビの10cmm四角の一端は栽培槽側面に当て、この面でも持たせます。
その上で、更にシール剤で周囲を固めます。
これにより雄ネジをねじ込む力にも耐える構造になりました。



実際の使用時の排水口です。仕切り板を取り付けて、排水室も給水室と同様に上フタをこの部分で切り取りガムテープをジョイント代わりにして、開閉式、点検可能ようにします。
排水口の雌ネジは取り外しできます。高さは塩ビパイプですので寸法調整容易です、つまり栽培槽の水位は栽培中に、この雄ネジにより調整出来る訳です。


底面の様子です。以前のなごりのアルミホイルが付着していますが無視ください。
この底面排水口に15mmホースをねじ込みタンクに落水させます。

5、全体の配置



縁側の濡れ縁に排水口部をオーバーハングさせて、その下にタンクを配置します。タンク上部は出来るだけ栽培槽底に近づけて。水中ポンプと給水口の落差(HEAD)を小さくしてポンプの給水の能力を高めます。写真左がRIO+200ポンプと接続給水ホースです。
奥側の給水室に繫ぎます。
中央は排水パイプ、右が自動給水用のミニフロートで、少し高い所に設置した補水タンクに妻がっています。タンクフタには給・排水のパイプ穴を開け取り付け安い様に追加工します。

6.纏め

我が家の様に恰好な設置場所が無い場合、栽培槽を載せる台の製作が必要ですが、それを除けば、カッターナイフと接着剤で簡単に高性能なホームハイポニカが完成します。
H25年末からH26年5月にかけ、この装置でスナップエンドウを栽培して高性能を確証しました。収穫後のスナップエンドウの根を見たら祭場槽一杯に広がっており、しかも新鮮元気な根でした。

水耕栽培は楽しいものですが、自分で工夫して作った栽培装置で作ると楽しみが倍加します。
皆様ぜひ挑戦ください。

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