花の水耕栽培装置



(1)概要
VU50塩ビパイプの中に揚程30cm・6w程度の小型水中ポンプで養液を循環させる。
内部はポールプランターの技術を応用したものです。マイクロファイバー雑巾をつなぎ合わせパイプと同じ長さにした栽培床を丸め、透水・防根シートで作った筒の中に挿入し内部に横たえる。
栽培床の内部にポンプで養液を流し込む、養液は栽培床を伝わり、透水・防根シートを濡らした後L字継手から流れ出しタンクに戻る。

(2)材料
①VU50塩ビパイプ  長さは設置場所で決める。栽培ピッチは20cm程度
②VU50パイプ用フタ        2個
③塩ビパイプ用TS13L字継手  1個
④8mm直継手            1個 
⑤マイクロファイバー雑巾 40cm*60cm 枚数はパイプ長さで決める。
 
  繋げた雑巾全長がパイプ長となる枚数。
⑥透水・防根シート 幅17cm*パイプ長  1枚
⑦7.5mmゴムホース   長さタンクも含めたレイアウトで決める。     
⑧15mmゴムホース       同上
⑨養液タンク 20L程度    1個
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(3)製作解説
 1)塩ビパイプ加工

①点検穴と栽培穴はφ21mm同列に開けます、両端から5cmの所に点検穴を明けそこから等ピッチで栽培穴を開けていく。ただし花の植えない両端が長すぎるとバランスが悪いので、20cmピッチで開ける場合、点検穴の次は半分の10cm、次は20cmと言う様に開けてください。
②片側の端から4cmの所に栽培穴・点検穴と直角、直径方向に栽培床の取付穴φ6mmを2個開ける。その一個は写真の様に真っ直ぐ開けた後、ドリルを斜めに傾け、栽培床の取付ピンが端面から挿入し易い様にする。

2)フタの加工

VU13L字継手をフタの外周から20mmの位置に25mmの穴を開けます。ただし大きな穴のドリルは高価なので、φ21mmの穴を明け、半田ごてで強引に回りを溶かし柔らかい内に継手を挿入すると、上手くいきました。
もう一方は8mm直継手を穴を明け取り付けます。これも6mmの穴を明け半田ごての先で広げながら挿入しました。直継手はシール材でコーキングします。L字継手のフタは全体設置後コーキングします。

3)栽培床の製作


①作り方はポールプランター(改良版)の栽培床の製作の通りです。相異点は栽培床と防根・透水シートの筒の長さがVU50塩ビパイプ全長と同じ長さにする事と、給水ノズルの部分(写真)です。
ポールプランターではφ4mmのビニールチューブを使いましたが、花の栽培装置に使用するポンプは非力な為、出来るけ圧力損失を抑える必要が有ります。その為7.5mmのゴムホースを使います。ゴムホースを6cmの長さに切り、そのまま栽培床の中心に挿入します。
ポールプランターと違い、ほゞ水平に設置する為、栽培床の内部に確実に水を供給するためには、ゴムホースの周りに隙間が無い様にする必要が有ります。
吊り下げピンを挿入し、ホースを囲んで口の周囲をしっかりと糸で縫い付け隙間が無い様にします。


②透水・防根シートは幅17cm長さはパイプ長です。半分8.5cmに折りたたみ、1cmの綴じ代でホッチキスで全長にわたり、しかりと止めてたあと、反転させて約直径50mmの筒を作り、栽培床を挿入します。
これを加工済みのVU50塩ビパイプに挿入し、ピンで固定します。

4)給水タンクの加工と設置


H26.1月追記)この装置は養液の流れが穏やかで、凍結には弱い事が判りました。冬場に凍結する可能性のある場所での越冬栽培は困難ですのでご注意ください。


<--> 20L程度のタンクを設置します。ポンプの揚程は35cmほどなのであまり背が高いと駄目です。25cm程度の高さのモノを選んでください。私はDIYセンターで工具入れの箱を選定しました。
この箱の上部に給水パイプ、排水パイプ用の穴7.5mm、15mm、およびポンプの電源コード取り出し穴をはんだゴテで開けます。穴は写真の様にフタに掛かっています、出来るだけタンク容量
を稼ぐためです。
右側に排水パイプが見えますが、緩やかな傾斜を付け、タンクに水を戻します。

5)栽培装置の設置


①フタはそれどれパイプに端面にシールテープを一重に巻き、パイプに挿入します。
②設置場所に応じた取付台を製作します。私は70mmのコースレッド釘でパイプ側面を抱く様な
取付具を作り、ラティス塀に括り付けました。2mのパイプで傾斜が10cmにします。
給水側の高さはタンク底(つまり水中ポンプ位置)から35cm程度、排水側は25cm程度
排水側のホースは緩やかな傾斜でタンク戻るという高さに設定します。
エーハイムコンパクトポンプRio+90の 接続穴に7.5mmゴムホースはきついですが、押し込めます。
給水ゴムホースは最短長さにしました。

14/4/29追記)花の重みで塩ビパイプが回転しない様にパイプをしっかり固定してください。

6)試運転
タンクに水を入れポンプに通電します。しばらくたったら内部に水が行き渡り、排水パイプから水が流れ出てきます。その状態で点検口を見て、防根・透水シートの外に水があふれている状態は給水量が多すぎますのでポンプの側面にある流量調整板を動かし流量を絞ります。
防根・透水シートが適度に濡れている状態を保つ様にします。
後は栽培穴に花を植えお楽しみください。